6月1日の国際子どもの日に、スロバキアのブラチスラバにある国際児童芸術館”ビビアナ”において、在スロバキア日本国大使館主催の「ジャパン・デー」のイベントがあり、嬉しいことに、プログラムのひとつとして、おりがみアニメーションワークショップを開かせていただきました。
当日参加してくれた子供達 ( Photograph: Bibiana)
今回は、ジャパン・デーのイベントだったので、主催者の方々と話し合いの末、それでは日本っぽく”おりがみ”を使った”アニメーションワークショップ”をしましょうということに決定しました。
スロバキアは内陸で国内には海がないので、「せっかくファンタジーの冒険に出かけるならどどーんと海だな〜。」と思い、舞台は「海底と大空」とすることにし、大波、昆布(いっぱい)、おっきい太陽、大なまず、などを用意しました。
私のワークショップは、参加者がどのぐらいの年齢か、興味の対象はどのようなことなのか、当日になって蓋を開けてみるまで全くわからないことが多いので、いつだってライブ感満載で、新しい発見があり、いつもドキドキ新鮮な気持ちになります。
5歳か10歳か15歳では、折り紙をおれるキャパシティーがずいぶん違いますので、今回は年齢に合わせておりがみの難易度の違いが多少必要かもしれないと思い、「魚」と「鳥」と両方を用意していったのですが、参加者たちが8歳だったので🐟魚一筋🐟でいくことになりました。
今回のワークショップは、「おり紙とはなんぞや?」ということを、スロバキアのちいさな子供たちにお話するところから始めました。きっと日本と言われても、それが”何か”わかっている子のほうがまれでしょう。
『むか〜しむかし、遠〜い遠い日本という国では・・・』と、写真やイラストをスライドで見せながら、おもちゃの木琴を活用しつつ、昔話調で超簡潔に日本の折り畳み文化にフォーカスし「おりがみと日本」について紹介しました。
寝る場所も折りたたんで収納するし、足も折りたたんで座るこの国の人たちは、遊ぶ時も紙を折りたたんで遊んでいたんだよ。テケテンッ♪。
このいきなりの昔話風プレゼンにも、通訳さんがとてもいい感じにノッてくれたので助かりました:)
そして、「みんな〜、おりがみやりたいか〜い?」とよびかけると、
それはもう可愛い声でアノ〜〜〜〜〜!(スロバキア語のYES)と、声をそろえて大声で返事してくれ。
もう、これは、このノリは、今日は熱いワークショップになるわ〜。と嬉しくなる私。
魚の折り方のデモンストレーションをする、スウェーデン人のオリガミおにいさん。
覚えたてのオリガミですが、張り切って完璧にデモンストレーションしてくれました。
( Photograph: Bibiana)
「ほら、できたぜ。へへん。」
( Photograph: Bibiana)
約20人の8歳の子供たちがめいめい自分の魚を折り、その後、作った魚を海のバックグラウンドの上でちょっとづつ動かしては、パチリと一枚、そしてまた少し動かしてはパチリと一枚、みんなで一緒にストップモーション手法でアニメートしながら、海の中の冒険に出かけました。
( Photograph: Bibiana)
こんな感じの洞窟ちっくな地下室が私たちの製作所でした。地下制作基地、いい感じ。
ビビアナの建物の地下の一室です。普段はシアターなど色々な用途に使われているそうです。
( Photograph: Bibiana)
ワークショップでは、大人にコントロールされている制作ではなく、「自分たちが作っている感覚」を感じて欲しいので、アニメーション担当以外にも、できるだけ役割分担をふりわけます。
例えば、これを押すとシャッターが降りるという、撮影用のリモートコントーラーがあるのですが、これをグループ内の誰か「こども監督さん」に握ってもらって、カシャっとシャッターを切ってもらいます。
もちろん、シャッターを切るタイミングは、私たちが合図を出してあげる必要があるのですが、それでも、こども監督の口から「みんな〜準備はいいかーい?」と仲間に呼びかけてもらうことにしています。
アニメーターちゃんたちが、自分の魚やキャラクターをひとコマ分動かした後、
こども監督が、「準備はいいか〜い?」と皆に呼びかけ、
「いいよー。」と返答が来たら、
このこども監督がポチッとシャッターのコントローラーを押します。
このスイッチはパソコンとカメラにつながっていて、こうやって一コマ一コマパソコンに記録していきます。
シャッターを切った後は、またちいさなアニメーターちゃん達が、自分の魚を一コマ分動かして、そして監督が呼びかけ・・・
の地味〜〜な作業の繰り返しでアニメーションができます。
さて、このスイッチなのですが、なかなかいい音がする上に、
やっぱりこう、特別感があるんでしょう。人気があるんですこの役割。
スイッチ、気持ちいいですもんね、ポチポチするの。
そんなわけで、撮影を初めて数十分後には、私も私もやってみた〜いという子達が
ちょっとづつ増え始めたんですね。
ちょっとこれは、ケンカしたり仲違いの原因になったらどうしよう。。。
と心配し始めたのですが、その他10数人の魚ちゃん達のことも考えなくちゃいけないし、
私はスロバキア語はできないので、通訳の方なしでは直接こどもたちと話もできないし、
でも同時に色々進行しなくちゃいけないし、
そこの監督したい組のことが気になりつつも、すぐに要望を聞いてあげれなかったのです。
でも、他のみんなは撮影のつづきを待ってる。。。
と、いたしかたなく、とりあえず、次のショットへいかなくちゃいけなかったので、
子供たちのうちの誰かが、監督をしばらく続けてくれることを期待しつつ、
人選義務丸投げでこどもたちに呼びかける私。
「監督さーん。次のショットいきましょうか〜」
彼女たちは身を寄せてなにやらヒソヒソ囁きあってから、
そして、いっせーのでで、声を合わせてみんなで一緒にひとつのちっさなコントローラーボタンをカシャっと押す彼女たち。しかも超幸せそう!!
むしろ一人でやってた時より楽しそう!
こどもっ!衝撃的にキレイなココロの持ち主たちっ!
こどもってあんなにまっすぐ透明なんですね〜。もうほぼ崇高。普段あんまり接する機会がないので、衝撃でした。
私が8歳の時には、あの子たち程まっしろサラサラではなく、すでに自我を発生させて、「わたしが〜わたしが〜」とか言ってそうな自分が思い浮かぶので、自分がどんな8歳だったかという件については母には質問せずにおこうと思います。
〜・〜・〜・〜
しばらく撮影を繰り返した後、それをプレイバックして観た時の、子供達の「うわあああああ、もっともっと〜〜〜、もっとつくろ〜〜う」という創作意欲の熱狂!そしてまた集中する子供達。
創作の熱で部屋中が美しく満たされた素敵なセッションでした。
そしてこれが、ワークショップ中でみんなで一緒に作ったアニメーションビデオです。
長さは30秒ほどの短い映像ですが、
60枚以上の写真(フレーム)とみんなの超熱意でできています。
地元アニメーション大学からお手伝いに来てくれた Lina Šuková, Kristína Saganová, Slavo Turanec, Balázs Horváth,とアシストしてくれたChristian Wellbo、そして国際児童芸術館ビビアナの皆様、在スロバキア日本国大使館の皆様、小松さん、Zuzanaさん、通訳の方ありがとうございました。
Big thanks to Lina Šuková, Kristína Saganová, Slavo Turanec, Balázs Horváth,Christian Wellbo, Komatsu san, Zuzana san, Bibiana and Embassy of Japan in the Slovak Republic
イベント告知用としてこんな動画も作ってみました。↓
アニメーションワークショップは、ご要望やテーマ、人数、場所、状況に合わせて異なる形式でご対応可能です。
過去には、庭にあるものを使い、参加者たちが叶えてみたかった魔法をストップモーション技法で実現したアニメーションフィルムを作るワークショップや、ストップモーションを使用したビデオ作成など、どんなご依頼もお受けしています。
メール : contact@kaorufuruko.com
電話 : +46 760242206 (Sweden)
+421 949619585 (Slovakia)
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