もうかれこれ1ヶ月近くになるスロバキアのロックダウン。
基本、スーパーとドラッグストアしか開いてないし、首都ブラチスラヴァの中心街にも、ポツポツしか人出はないし、どこもかしこもガラーンとしている。スロバキア人は、コロナ対策に超真剣のようです。
たとえば先日、こんな事がありました。
ひと嗅ぎした時点で、スライディングして床を滑りながら現れたセキュリティーのおじさん。
勇しく、神々しかったです。
好きです、この真剣さ。
そしてごめんなさい。もう外で匂うとかそんな事しません。反省。
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約束は守りながら、楽しむこともあきらめないスロバキア
政府からの公式な禁止項目をみなさん結構ちゃんと守っているスロバキア。屋内で会うのは禁止されているから、代わりに外で会おうよとのお誘いを受けます。
この間の、2年ぶりの友人との再会も、氷点下の中、小さな林の湖畔で開催されました。
ブラチスラバの町の中心地からバスに乗ること約10分ほどでたどり着いた小さな湖。
湖畔に着くなり、小石を丸く並べていそいそと料理用の暖炉+焚き火を作る友。
火がいい感じにパチパチ言い始めると、「失礼」と言いながら服を脱ぎ捨て、素っ裸で氷点下の湖に意気揚々と飛び込む友。(遠くに浮かんでる黒い点がその彼です)
見渡すとあたりにはその彼の他にも寒中湖水泳を敢行しているおじさん達がちらほらと。ところどころ水面に頭が突き出てるのよ。無言で。
いや、そら無言なるわよね。
ガッチガチに震えながら湖から上がってきた彼。もう、腕が寒さで固まっちゃって全然回らないので、ヨメに体を拭いてもらいながら、ドヤ顔で一言。
「ほらね。僕たちはコロナによって、今まで普通にできていたたくさんの事ができなくなったけれど、その代わりに今までできないと思っていた事が簡単にできるようになったんだ。」
とガッチガチに震えながらコロナに打ち勝った様子であった。理屈はよくわからんけど、いいっ!イイですよ〜そのポジティブさ。
好きやわ〜、このスロバキアの突き抜けたポジティブ。
その後は、焚き火の煙に炙られながら、彼らが持ってきてくれたスロバキア伝統のクリスマスキャベツスープ(Kapustnica/カプストニッツア)と、数種類のハーブの入った自家製ブレンドの紅茶をいただいたのですが、ここがまたスロバキア。
スロバキアの友人たちはいつも手作り料理でもてなしてくれるんです。そして今回は、コロナ感染予防対策として、別々の食器だけではなく、一人ずつのごはんを別々の瓶にそれぞれ詰めて持ってきてくれて、それを焚き火の上で別々に温める小鍋まで人数分用意してくれていて、守るところは守りながら人生を楽しむのをあきらめない姿勢が素敵だなと思いました。
もちろんワインも一人一本。笑
久しぶりのスロバキア手料理とともにこんなにあたたかくもてなしてもらって、身も心も暖かくなりながら、やっぱりスロバキア好きやわ〜、となった夜でした。
ただ、氷点下の湖畔だったので、帰る頃には持ってきていたリュックもタオルもバッキバキに凍っていましたし、次の日朝起きると、火に当たっていなかった身体の裏サイドの筋肉がバッキバキに固まっていて、認めたくはないがもうそんなに若くないと、色々身に染みた氷点下の再会でした。
ひとけのないオールドタウン。まるでゴーストタウン。きれいね。
ではまた。