あれはスウェーデンに来て間もない頃のこと。
質問する私。
激しく吸引する彼女。
至近距離で行われた、音を伴う威勢の良い吸引。
突然のことにまるで目の前の空気が奪われた気がし、軽く目眩さえしました。
そして図書館についての返答は返って来ず
予想外の展開に、それ以上何の質問もできなかった私は
「ありがとう」と微笑みその場を去りました。
彼女も微笑み返してくれたのが私を更に混乱させたのですが・・・
私は首を傾げたまま帰宅しました。
この シュツ。シュポ。シュワッ。スワッ。とも、多種多様に発音されるこの吸引音は
なんと、この国の 「YES」なのでした。
なんなんだろう、この無表情で行われる”吸引イエス”は。。。
できるだけ口を開きたくないという怠惰の極みなのか、それとも、北欧デザインのようにミニマルを良しとする価値観の表れなのか。
聞いた話によると、これはスウェーデン国内でも北にいけばいくほど使われる話法だそうで。
北かっ!
ピキーン。ここで私はひらめきましたよ。この話法、もしや昔の人の生活の知恵ではないのかと。。。
MY推論 “吸引イエス”の成り立ちストーリー
むかしむかし、地球の上の方にある北の国でのことでした
そこにはパラダイスのような夏があり
そして
毎年厳しい冬がやってくるのでした
村人 : あかん。。。また来てもうた。。。
冬 : フビョーーーー
↓
しかも、昔やし、家ん中でも絶対寒いやん。。。暖房無いし、隙間風とかあるし。
なので、人々は極力 最低限のエネルギー消費で冬を乗り切ろうとしていたのです
会話は予想以上にかなりのエネルギーを必要とする
唇の動きひとつで消費するエネルギーだってバカにできないというのに、
どこにだって、どの時代にだって、黙ってられないおしゃべりさんはいるもので。。。
左3人 心の声 : え?返事求めてる? 。。。よね。。。
やったーーーー
会話成立!!
最低限のカロリー消費で会話できたじゃん!の瞬間。
というなりたちでこの会話術は誕生し、
こういった理由で北であればあるほど人々の間に浸透していったのでした。
※フィクションです
自分的にはなかなか説得力があると思うのですが、どうでしょう?
本当の成り立ちがすごく知りたくなってきた薫より。
続編↓
{数コマ漫画} 外国人がスウェーデンに来て必ず戸惑うことであろう事。が日々に溶け込む日。
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朗報!!
2015年11月6日 追記
今住んでいるスロバキアで製作していた、エストニア人アーティストJohannaが、吸引イエスを発しました。
Johannaによると、エストニアでも吸引イエスを多用するらしいです。
吸引イエスの成り立ちについての私の仮説を話してみたところ、
大きく賛成してくれました。受け入れてくれてちょっとびっくり。
あながち間違ってないかも、な仮説。