㊗️ おめでとう子供アーティストのみんな!
2020年、コロナ1年目の夏やすみ、67人のこどもたちがそれぞれのおうちスタジオからオンラインで力を合わせて2本の短編映画をつくりました。
先日、子供たちのこの作品「みんなのぼうけん」が、国際映画祭 Short Shorts Film Festival & Asia 2021 のKids部門での上映プログラムに選ばれたとの嬉しいお知らせが届きました。
おうちスタジオから、みんなでぼうけんの旅に出よう
「コマ撮りアニメーションワークショップ+ライブコラージュ地図づくり」
なつやすみ子供アートサーカスについて
としま未来文化財団が毎年夏休みに小学生対象で開催している文化体験アートワークショップ。なんとその内容は、伝統芸能、音楽、身体表現、美術、プログラミングなどなど、いい歳した私もこどもがえりして参加したくなる内容!なんと英才教育!
しかし2020年は、そう、コロナがやってきて、このアートワークショップをオンラインで行う事となりました。加えて今年からはアニメーションプログラムもとのことで、私にもお声がけいただきました。
私も財団の皆様もオンラインでのワークショップは初の試みで、オンラインミーティングで数ヶ月じっくり企画と構成を練りながら、みんなで一緒につくりあげていったプロジェクトでした。
2020年のアートワークショップのゴール
音楽ワークショップ、コマ撮りアニメーションワークショップ、そこに6人の音楽家の方たちの奏でる音楽、この3つのコラボレーションで一本のミニアニメーション映画を作ろうというゴールが決まりました。
いざワークショップを行ってみると、子供達のつくるお話のそれぞれがあまりにも素敵だったので、これは是非とも個々のお話も形にしなくちゃ!という嬉しいサプライズから、予期していなかった方の短編「それぞれのおはなし」も誕生したのです。
子供の感性や想像力。
ここではない世界へと無限に広がるお話をしてくれる子供達の、想像力。
その想像の中の住人を現実のものとして作り出す集中力と全力の熱意、胸がジーンと熱くなりました。
私は今のところ自分の子供がいませんし、何かに夢中になるともっぱら朝までも、次の日の昼までもぶっ通しでやってしまうような超夜型ですし、子供と呼んでも差し支えのないような年代との関わりが全くない人生を普段は送っています。なので、こうやってこども達と一緒にみっちり一緒に制作できるのは、自分自身にとってレア体験で、貴重で、刺激的だということに、このような機会を得る度ありがたく思っています。
個性を自由に放つ小さなアーティスト達と共に制作して、刺激を受けます。私ももっと自由につくろうと思える。
子供、とはどんな人間だったっけ、どんな日常が見えていたんだったっけというのを、日常生活で感じることのない私にとっては、子供達のあの真っ直ぐな創作力に触れて、解き放たれる。
ワークショップ内容 (コマドリワークショップ編)
午前
どんな冒険にも困難にも負けないキャラクターを作る。キャラクターデベロプメント。
こどもたちひとりひとりのキャラクターを、話し合いながら、素材や制作方法について一緒に考えていきます。
午後
ちょこっとアニメーションについてお勉強してから、
午前中に作ったキャラクターをそれぞれのおうちスタジオからコマ撮りします。
今回のプロジェクトのように、1日中みっちり一緒にストーリー世界を共有しながらの制作体制では彼らの見えている世界をシェアしてもらい、刺激的なセッションとなりました。
美しいわ、子供のこころ。
参加者の子供たちが話してくれるそれぞれのキャラクターのお話がユニークで、ほぼ1年経とうとしている今でもくっきり脳裏に蘇る。胸にキュンとくる思い出の多いこと。
お家からのワークショップという状況を活かして、お家にある物を材料として使ったコラージュキャラクターを作りました。
「この子とこの子は仲良しで、同じ目をしているの」と、パーツに使う素材にこだわりと理由がちゃんとあったり、
私の仲良し兄弟3人でピクニックに出かけて、お弁当を食べてからボール遊びをするのとか
ポケットの中に無限数のメガネを忍ばせているキャラクターを作った子は、いくつもある眼鏡のデザインから始めていたり
魚が宝探しに出かける話を作っていた子は、「しばらく泳いできっとちょっと疲れるだろうから、途中で一回宝箱をわかめの間に置いて休憩するの」と体力の状況まで考えていたり
歩いたり走ったりする機能のある家を作っていた子は、動きにこだわりがあったり
どのキャラクターもユニークでユーモアにも溢れていて、永遠に愛でていれそうなぐらいに良い!
彼らの作ったキャラクターの動く姿、冒険の旅に出かける姿をぜひとも動画で体験してみてくださいね。
メイキング付き動画
みんなのぼうけん
それぞれのおはなし
音楽家の皆さん。
「それぞれのおはなし」「みんなのぼうけん」の両方に、6人の音楽家さん達がオリジナルミュージックを制作してつけてくれました。
今回ご一緒させていただいた天才音楽家の皆さんは、中川賢一さん、野村誠さん、鵜木絵里さん、有馬純寿さん、福島青衣子さん、野尻小矢佳さんです。
制作・録音風景
嬉しいアクシデントとして誕生した2本目、「それぞれのお話」には
とっても贅沢なことに、それぞれのエピソード毎に異なる楽器の組み合わせで作った曲で、子供達の作ったお話をドラマチックに包み込み、更なる命を吹き込んでくれる音楽を制作していただき、これがまた、良い具合に力が抜けているのに、流石〜〜と唸ってしまうプロの技法でビシッとまとめていて最高です〜。
いろんな楽器と音楽家さんの組み合わせを、各エピソード後のクレジットで確認できるので、「あれはなんの楽器で作っていたのかな?」とチェックしていただけます。楽しいですよ。
そして、野村さんが作曲された音楽「あやしいサーカス団 Les Six 2020 for こどもアートサーカス2020」は「みんなのぼうけん」の主題曲です。
いやほんと贅沢〜!
オンラインワークショップをやってみて思ったこと。
アニメーションワークショップって、すごくオンラインと相性がいいような気がします。
今回のワークショップでは、オンラインの特性を活かして参加者の子供達一人一人と個別にゆっくり話しながらそれぞれのペースで進めていけたのが、とても心地よかったです。
対面ワークショップではここまでゆっくり個人と話ができたことはなかったので、オンラインは参加者がそれぞれの世界に浸り制作するタイプの内容と合っていると感じました。
そしてもちろん、今回のプロジェクトは、豊島文化財団の皆様のクリエイティブでオープンマインド、その上絶対的な安心感のある万全なサポート体制があったから実現できた事です。
そしてワークショップパートナー片山なのあさんとの最強コンビネーション!編集に力添えしてくれた、向井菜月さん、羅絲佳さん、Christian Wellbo、ありがとう!
そして今年も、としま未来文化財団 夏休みこどもアートサーカス2021が開催されます。
今年は、オンラインアニメーションワークショップ部門は、全国から参加できるので、小学生のみなさんどんどん参加してね〜!
詳しくは、としま未来文化財団 夏休みこどもアートサーカス2021で検索してみてください。
財団から本年度の情報が公開され次第、ここにもリンクをアップしますね!
おまけメイキング画像
財団の皆様が、それぞれのおうちに届くアニメーションキットを用意してくださり、参加者の皆様に発送してくれました。
では、また!