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アホーイ!スロバキアに来て以来、結構どっぷり制作の深海に潜っていたので、なかなか更新できずにいたのですが、新しいスタジオの設置も終わり、お家も決まり、深海での探し物もひと段落して、春のブラチスラバに浮上して参りました。
あぁ春ですね! 春といえばスロバキアの春には、地面からのエネルギーを超濃縮して生えてきているおネギがありまして、口に入れると真っ直ぐ脳の真髄までビリビリ地面からのエネルギーを届けてくれる、最高に痺れるおネギがありまして、毎日毎日そればかり食べています。近々そのネギ特集をする予定でおります。
そして脳天といえば、今日は今年の冬にスロバキアで初めて受けたコロナテストの感想をお話したいと思います。
日本では、出国時にも受けさせてもらえず、淡くほのかな憧れすら抱いていたコロナテストですが、実際受けてみたら結構今でも引きずるぐらいのトラウマになった。。。というお話です。
あれは1月の半ばごろ、スロバキアは国全体がガッチガチにロックダウンしていて、
コロナテストが国内全国展開で行われていました。しかも無料ですぜ!無料!太っ腹なことに私のような外国人に対しても無料!!
その時期はもう「私も歩けばコロナ会場にあたる」みたいなぐらい、あちらの角にこちらの角にいっぱい会場があったのです。
よく耳にするPCRテストとはまた別の、AGテストという形式のテストが即座に受けれる会場がドロップイン形式で設けられていました。
ある日友からの電話で
「ねえ、薫、明日の土曜日はさ、コロナテスト受けに行ってから、市場行ってさ1週間のごはんの買い物しようよ!」
え?コロナテストってそんなカジュアルな、遊び行こうよ的なノリで行く感じのやつ?そういうレジャー的なノリで行くやつ?
でも、ねぇ、折角なので噂のコロナテストに行ってみましょうか。というわけで、数あるテスト会場から、建築学校の建物が使われている検査会場へと向いました。
会場建物の外に立っている、白い装備のお姉さんから整理番号を受け取り、建物の外で番号を呼ばれるまで待つ。
その間にも、やはりスロバキア、近くの人がなんやかんやと話しかけてくる。ホントどんな時でもフレンドリーなスロバキアの民だわ。
一応ドキドキしていたのだが、ここでちょっと和みタイムが入り、
番号もらってから5-10分ぐらいで、建物の中に呼ばれ、あとは、現住所と名前を言ってパスポートを見せるだけ、超簡単。
でその次のステップでは、もう白い装備のお兄さんの前。
あれよあれよと言う間に、非常に長くて細い棒をなんのためらいもなくブスッ、ススススすすスススウーッと奥へ奥へと突っ込まれ、その深さと存在感にショックでピキーンと体が硬直しちゃって動けないの。もう模範的な体育の「きおつけ」の姿勢だったと思います。
なんか、棒の先にあるなにかが鼻の奥を通り越して、脳みその中の組織にロックで繋がれちゃったよう。小さな一点ではあるが的確に生物としての急所をガッツリ掴まれているような、絶対的服従感。
もう、走って飛びのこうなんて考えられないもん。完全に掴まれてます。脳細胞。ロックかかってます。って感じ。
で、その上、ぐりぐりするわけですよ。ぐりぐり〜〜ぐりぐり〜と、どうしてあんなにも細い棒が、
こんなに自己喪失しそうな程の作用を与えることができるのか。
その時間が予想以上に長くて、もう私は整列の手先指先のまま、動けない。
フェイスシールドの奥にある、検査官のお兄さんの目に「お願い、お願い、お願い、もうええやろ?」と目をクワっと見開きながら、ツターッと溢れ落ちる涙とともに目で訴えた
「あと10秒ね」とお兄さん。
そして時は永遠。
ようやく引き抜いてもらった時の開放感のすごいこと。
多分、宇宙人が人間を生きたまま捕獲したかったら、鼻の穴からほっそーいチェーンを鼻の奥のコロナテストスポットにつなぐのが一番効果あると思う。急所すぎて抗う気力すらも湧かないわ。
私多分あそこに手綱つけられたら、一生従ってしまうわってぐらい、人間としての芯を掴まれてるような威力があるスポット。もう無抵抗。
ーーー
大変なお仕事ありがとう、お兄さん。そして泣いてごめん。いや、だってさ、絶妙に溢れ出るとこ突くんだもんさ。
無事に棒が抜かれた後は、すっごいソーシャルディスタンス意識した感じで並べてある椅子に座って待ちます。
テスト前には、ちょっと不謹慎ながらも、「よし、せっかくだし色々観察しよう!!メモメモ!」とか思ってたのに、突っ込まれてからはあの衝撃で何も覚えてないです。
そんな余裕、微塵もなし。なのでこれ以上の詳細は記憶にございません。しばらく朦朧としてました。
そして、えっへんネガティブ証明書。
突っ込まれた方の鼻の穴がね、3日ぐらいずっと通りがいいんですよ。普通に息してても、そっちだけだいぶ余分に風が入ってくるの、バランス悪いったらありゃあしない。
いえ、私の通常の鼻の穴が汚いわけじゃないと思うのです。なんか、そういった通りの良さじゃなくて、一本の貫通した風穴ができて、まるで高速道路が一本ズドンと通ったみたいに脳みその表面一箇所に風がソヨソヨしてるような数日間。
スロバキアコロナ陰謀論!?
ね、わかったでしょ?どんなもんか。私たちもこれに慣れるまで、薫みたいな脳味噌触られた気分になった人がたくさんいたから、前回の初全国民一斉テストの時期には、「これは政府の陰謀だ!コロナテストは建前で、本当は俺たちは政府に脳内にマイクロチップを埋め込まれているんだ!」という噂がまことしやかに流れていたのよ。と友人。
なんか、その思考回路が、「何かにコントロールされるかもしれない事」にめっちゃ敏感なスロバキアっぽい陰謀論だわぁとニマッと納得しました。
いや、マイクロチップについてはちょっとわからないけど、脳味噌に絶対届いてるってことについては肩を組みながら、夜通しその人たちと話し明かせる気がするわ。
このコロナテスト、病院や建物だけでなく、ドライブスルー形式あり、コンテナ形式あり、色々なタイプがあり、
なんとトラムまでテスト会場にしていたのを見たときにはあがりました。行きたい、中が見たい!!!でもあの恐怖を思うと、ひるむ。。。
いや、普段私は結構痛みに強いと自負しているんです。入院してる時に採血とかされてても起きないし、献血もうどんどん抜いちゃてくださいって感じやし、
が、しかし、鼻の奥は急所だったわ。死角だった。
そんなこんなではや4月半ば、来週ぐらいからロックダウン規制も1段階緩くなるかも〜みたいな話だったので、もう2度としなくていい事を願います。
ただ、もし次するとしたら、「息をするのよ、薫!ポイントはそこよ!そして前回と別の鼻の穴を差し出しなさい。」となんとも堅実なお言葉をいただいたので、
この格言を胸に、左の鼻の穴を差し出します。
皆さんも、もしもコロナテストの機会があったら息をしてみましょう、一緒に。
それではまた!
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オマケ。山で新鮮な空気を楽しむBea.
〜追記〜
この記事をアップした翌日のニュース「5ヶ月続いたロックダウン規制の一部が解除され、1週間以内の陰性診断を持っていたら、スーパーマーケット以外にも行ける」とのこと!
うわぉ!もう、胸の中に希望の炎がカッと燃えるというのを体感しました。いや〜、もう寂しかったんだよ、辛かったんだよォ〜〜〜ロックダウン。。。
受ける、受けます、何度でも。スーパー以外に5ヶ月ぶりに行けるとなれば、人々にまた会えるとなるなら、喜んで鼻の穴を差し出します。いや〜、やはり何事もモチベーションが大事なのよね。
今ならできる!
それでは、また。
追記:2021年8月
先日、スロバキアの野外音楽フェスティバル、Pohodaフェスティバルで映像作品のインスタレーション展示をしたのですが、その際に、参加者も来場者も全員が必須でAGテストを受けなければならず、かなり恐怖におののき、フェイスティバル会場に近づくにつれブルーになっていたのですが、今回は腹を括りBea様からの叡智の教えどおりゆっくり長く息をし続けてみたら、鼻腔が開いたのか、今回は肩透かしを食らうぐらいあっという間にテストが終わりました。
目をカッぴらき、両鼻の穴を最大限まで膨らまして、微妙に震えてきをつけの姿勢をしていたこのわてくしを、不憫に思ったのか、もしくは内面の恐怖が体で十二分に表現されていて、そうせざるを得なかったのか、検査のお姉さんは、長い棒を鼻の穴に突っ込みながら同時に腕を優しくナデナデし続けてくれたのでした。優しいねえ。
というわけで、毎回初回のようなトラウマ体験になるわけではなさそう。ふぅ。