4月初旬イースター(復活祭の日)、春の女王がちょこっと顔を出してはまたひょこっと隠れてしまうようなこの時期のスロバキア、ぴりっとした空気の朝に男たちはチリチリに冷たい 氷水をバケツいっぱいに愛する女達に投げかけ、彼女たちの健康と幸せを祝福する。
今日は、この間経験した世界の他の地域とは一風変わった、ユニークなスロバキア共和国とチェコ共和国でのイースター(復活祭)の祝い方について書こうと思います。
まずは予備知識として、日本であまり馴染みのない「イースターとはなんぞや?」について。
この、イースターですが4日ほど続き、まずはスロバキア人たちが「ビッグフライデー」(大きい金曜日)と呼ぶキリストが磔にされて亡くなった金曜日。 (英語ではGood Fridayと言うらしいです)
その次の土曜日が「ホワイトサタデー」(白い土曜日)。
そしてキリストが生き返った日曜日は「イースター日曜日」。多くの人が教会に集まります。
そしてその翌日が、私が個人的に待ちに待っていた
「鞭打ちの月曜日」。。。ではなくて普通に「イースター月曜日」
このイースターの月曜日の朝、スロバキアとチェコの男性たちは彼らの愛する女性たちに、バケツいっぱいの水をかなり大胆に浴びせ、 (この行為をOblievackaというそうです。)
当日までに愛情を込めて編み編みした柳の枝で作った鞭(veľkonočny korbac)
(photograph : wikipedia)
で彼女たちを打つことで彼女たちの健康、強さ、若さ、幸せ、美を祝福します。
そしてそのお礼として女性たちは、お酒のショット 等を男の子たちに手渡すそうです。
果たして打つ順番についてこだわりはあるのだろうか?
とある友人(男性)によると、
1.お母さん
2.おばあちゃん
3. 姉妹
4.恋人
5.女の子の友人
が、彼的には正当な順序らしいのですが、ここにもやはりスロバキアの人たちの”お母さん大好き”具合が見て取れます。私の観察によると、スロバキアの友人たちは本当に母親への愛情表現が大々的で、1度母親自慢が始まるとかなり熱のこもった長時間にわたる愛のスピーチが行われ、聞き手の私は時に、その愛のでかさに呼応するには何と返信していいのか言葉を失うぐらいです。そんなに愛されているスロバキアのお母さんたちが羨ましいです。
民族衣装!鞭!恥じらう女の子と男の子!
私の想像と鼻の穴はワイルドに広がるばかり!!!
若い少女が民族衣装に身を包み、
意中の男の子が鞭を片手に家のベルを鳴らしてくれるだろうかと、
そわそわしながら彼の訪問を今か今かと待っている。
いいですねえええええ。。。。。
想像力が暴走した結果、どうしてもどうしてもこの鞭を自分で作りたくなった私は、全く鞭作りなどに興味がなく穏やかな日曜の朝を送っていた制作仲間のシモンを彼の穏やかモーニングから引きずり出し、私たちは柳の木探しへと出かけたのでした。
「柳=水辺」というこのヒントを頼りにウロウロと歩き回り、とうとう小さな川沿いに見つけました
なんか、日本の柳と木の形が違う気がする。
編み込み 編み込み。
リボンも飾って出来上がり。持ち運びに便利なように、小さいのも作りました。
1週間経った今も新しいスタジオの窓に誇らしげに横たわっています。
自作の鞭をサムライ背負いで
コシツェの 街を自転車でチャリチャリチャリーーーーーー。
街の人々が、通りすがりに良い鞭だとしきりに褒めてくれました。
私の作ったのは全く洗練されていないバージョンでしたが。匠の技を見てください。。。
たたーん!
なんと幾何学模様の鞭!
作り方はここのyoutubeで見れます。
うぉぉぉ。すごい鋭い音がしそうです。
ここまでいくと私の甘い想像を超越した事になりそうです。
なんという刺激的な伝統!
1867年のこんなイラストレーションまで見つけました。
Ilustr.reprofoto. Obraz pomlázky z roku 1867 Reprofoto. Synek F.
それではまた。
チャーオー(スロバキアのバイバーイ)
薫より。
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